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LITALICO(リタリコ)の就労支援・幼児教室・学習塾が社会を変える?

※本メディアはアフィリエイト等の広告を活用して記事を掲載していることがあります。本記事は企業へ取材を依頼し、取材費または試供品等をいただき記事を掲載しています。


 

本日の未来カンパニー特集は、LITALICO(リタリコ)という企業です。

発達障害を持つ人の就労支援や教育支援を事業としているLITALICO(リタリコ)を取り上げてみます。

 

本題に入る前に、一つ質問です。

皆さんは「障害者の就労支援」と言われて、どんなことを思い浮べますでしょうか?

いや、もっと言うと「障害者の人就労する大変さって分かりますか?」と問いかけたほうが分かりやすいかもしれません。

「正直、よく分からない」「自分は関係ないかもな」と感じている人が多いのではないでしょうか。

 

平成28年度の総務省の調査によると、日本には、

身体障害者393万7千人

知的障害者74万1千人

精神障害者392万4千人

もの障害者と呼ばれる方がいます。

一定の従業員数になってくると、障害者の雇用は義務付けられていて、必ず障害者を雇用しなければいけなくなっています。

企業にとっても障害者を雇用して、どのように企業活動に繋げていくかは課題だと言えるはずです。

 

そんな課題に真っ向勝負を挑んでいるリタリコは、どのような企業なのでしょうか。
事業内容から歴史・社長の魅力・評判などなど、様々な角度から分析していきたいと思います。

 

LITALICO(リタリコ)の事業内容・歴史をご紹介

LITALICO

 

どんな企業なの?

さて、まずはLITALICOってどんな企業なの?という部分を見ていきましょう。

ビジネスマンでも、あまり名前を聞いたことがないという方が多いと思いますが、東証一部上場企業で、従業員は1,000名を有に超えている企業です。元々、宮城県仙台市で創業した企業で、何回か社名も変わっているみたいですね。

日経のデータベースで業績を見てみると、2014年~2017年まで右肩上がりで売上・利益が増加していて、2017年の売上は80億当期純利益は3億円となっています。業界としては、「人材」「インターネット」「教育」などが該当しそうです。

 

主力事業は?

セグメントでは、LITALICOワークス事業が52%、LITALICOジュニア事業が48%となっています。
その他も色々と事業を展開しています。

・LITALICOワンダー

・LITALICO発達ナビ

・U2Plus

・Conobie

ビジョンが「障害のない社会をつくる」となっていますので、「障害」という切り口で社会を捉えて、関連事業を広げていくというイメージでしょうか。

ユニークな会社ですね。障害者の支援を軸にしているのかと思いきや、もう一つ大きな「障害」という枠でポートフォリオを組んでいるような気がします。

色んな社会問題があるわけですが、それらを「障害」と捉えることもできますし、様々な切り口が考えられそうです。

HPにも記載があるように、LITALICOが主な課題として取り組んでいるのは、「障害者の就労支援」「教育」と思われます。「多様性」「人」などのキーワードが多く見られることから、「人」という観点も一つの軸になっているのではないでしょうか。

 

LITALICOワークス(就労支援サービス)を知ろう

LITALICOワークスは、大きなカテゴリだと「人材紹介」になるのでしょうか。実際に行っているサービス内容としては、下記の項目があるようです。

・カリキュラム

・企業インターン

・職場定着支援

通常の人材紹介とは違い、カウセリングとしてインターンや紹介後の定着支援までを手厚く行うという内容となっています。

各企業ごとに取り組みが進んでいるとは言え、障害者が働くには様々なハードルがあると予測できます。細かく見てみると、「働くには?」という基礎的な段階からサポートを行ってくれます。

参考サイト:https://works.litalico.jp/

 

LITALICOジュニア(ソーシャルスキル&学習教室)

LITALICOジュニアは、大きなカテゴリだと「教育」になるかと思います。具体的には、下記を運営しています。

・幼児教室

・児童発達支援(教室)

・学習塾

・放課後等デイサービス

一人一人にあわせた教育をサービスの指針としていて、発達が気になるお子さんを対象としています。サイトの中では、「発達障害」「学習障害」「ADHD」「不登校のお子さま」ということが明記されています。

調べているとリタリコが教育事業を手がけている意図や目的が分かってきたように思います。と言いますのは、就労支援を手がけているリタリコは、現実問題とその解決策のイメージがついているかはずです。

そのリタリコが早い段階からサポートに入ることで、社会に出ていける人が多くなるのではないか?と思ったからです。下は0歳から、様々なPhaseに合わせたサポートメニューを持っていることが重要なのかもしれません。

 

LITALICO(リタリコ)の強みは?人材業界での優位性は?

LITALICO

 

LITALICO(リタリコ)の強みは?

LITALICO(リタリコ)の強みはどのような部分にあるのでしょうか。

1点目は、1.4でも少し触れましたが、HP上では「周辺領域への拡大によるワンストップサービスの構築」という表現をしています。

0歳からの教育だけではなく、生活支援まで幅を広げていて、「人生」そのものをサポートできる体制が整ってきていることは非常に大きな強みだと思います。

2点目は、「インターネット事業におけるプラットフォームの実現」だと思います。これもHP上の表現をそのまま使用しています。

全国の店舗数もぐんぐん伸ばしていて、確実に支援の幅が広がっていますが、今後の事業展開を考えるとインターネットの存在は非常に大きいものだと思います。

例えば、自宅にいながらも何かしらの支援が受けられる等、インターネットを使って、サポートメニューの選択肢を広げられるか否かが重要な気がします。

あと、潜在的なニーズを引き出すというのも重要だと思います。なかなか他人に相談しずらい情報はネットで情報収集する傾向がありますので、そこで何かきっかけを与えられるようなコンテンツを持っているか否かも重要です。

既に、ポータルサイト・情報サイトも自社で運営していますので、自社にたまった知識や現場のスタッフが感じる課題などを積極的に発信していってほしいですね。

 

人材業界での優位性

リクルートやパーソル(インテリジェンス)等の大手の人材会社があるので、こういった支援もがっつり手がけているのかと思っていましたが、どうやら障害者の就労支援などはあまり力を入れていない印象です。

例えば、リクルートであれば、アビリティスタッフィングという障害者向けのサイトがありました。
http://ability.r-staffing.co.jp/

専業だと、株式会社ゼネラルパートナーズという会社のアットジーピーというサイトがありました。
https://www.atgp.jp/

2個とも、「就職支援」という切り口となっています。リタリコのように0歳からワンストップでサポートできる体制を持っているわけではなさそうです。

なぜ、他の会社はそこまで踏み込めないのか?ですが、ビジネス的な判断が下されているのかもしれません。市場規模やマッチング率、リードタイム、人件費などなど。

もっと分かりやすく言うと、人件費をかけてしっかりサポートしないといけない分野でありコストがかかる分野である、そして決して利益率が高いというわけではないということでしょうね。それが一つの参入障壁になっている可能性があります。

 

LITALICO(リタリコ)の評判を調査!社長の魅力は?

LITALICO

 

社長の魅力は?

代表取締役社長は長谷川 敦弥さんです。2008年入社ということですので、創業者ではないですね。設立が2005年ですので、設立から3年目のベンチャーに入って、リタリコの成長を牽引してきた方と言えそうです。ITベンチャーで3年間働いてからリタリコへ入社しています。

自社サイト内のインタビュー記事に興味深いフレーズがありました。

IT分野は僕がいなくてもイノベーションは進んでいくけど、この業界のイノベーションは僕でなければ起こせないかもしれない

この業界を変えるという強い思いが根底にあるのですね。

 

従業員の評判を調査

一部の口コミサイトでは下記のような意見が見られました。

人材集めに苦慮している

人事が遅い、人が足りない、という話はよく聞きます。

 

拠点数がぐんぐん伸びていて、人員の採用も急ピッチで進めていると予測できますので、人材は常に足りていない状態なのではないかと予測できます。

上記でも記載したように、手厚いサポートが一つの優位性にもなっていると思いますので、いかに従業員を教育して、働きやすい環境を作っていくかは課題になってくると思います。

急成長している企業ではよく見られる現象であり、まさに過渡期を迎えているかな~という印象を持ちました。しっかり乗り越えてほしいですね。

 

LITALICO(リタリコ)は未来カンパニーになれるか?

LITALICO

 

未来カンパニーになれるか?

まずは直近3年間の業績ハイライトを記載しておきます。

【業績】
2015年:55億
2016年:72億
2017年:87億

【拠点数】
2015年:92拠点
2016年:116拠点
2017年:140拠点

【従業員数】
2015年:964人
2016年:1270人
2017年:1625人

直近3年間は、業績・拠点数・従業員数が右肩上がりで増加しており、このトレンドを見ると、今後も増加することが予測できます。

少し古くなったかもしれませんが、政府は「1億総活躍社会」というスローガンを掲げています。女性の社会進出が主な取り組みかと思いますが、実はその中に障害者の雇用も含まれているのかもしれません。

本質的には同じ意味ですよね。今、活用できていない労働力を活用しようという観点だと同じです。

 

未来を読む!

「未来を読む」というコラムでは、勝手に企業の今後の展開を予想します。
私がリタリコに期待したいのは、「海外展開」「スキルアップ」です。

「海外展開」はそのままですが、海外にも事業を展開してほしいというものです。「障害」があるのは日本だけではありません。世界共通です。海外にも同じようなニーズはあるはずです。

「スキルアップ」に関しては、障害者の就労後の支援という観点で思いついたものです。会社に任せられる部分が大きいとは思うのですが、会社に教育の意識がないと、仕事も同じ仕事を常にやっているということになりかねません。

業務の幅が広がったり、スキルがつくと「やりがい」が生まれて更に生産性が上がるという良いサイクルに入ると思いますので、何かしらの形でスキルアップの支援ができると良いと感じました。ただ、これはハードルが高そうですね。

 

LITALICO(リタリコ)のまとめ

LITALICO

 

世界を広げる企業

さて、「LITALICO(リタリコ)」という会社を調べてきましたが、私自身も調べる中で「障害」に興味や関心を持てるようになりました。

今まで、障害者の就労や教育に力を入れている企業を見たことがありませんでしたので、良い意味で自分の世界が広がった感じがします。

そして、障害者の支援になっているだけではなく、就職先の企業としても喜ばれているはずです。新しい雇用機会を生むだけではなく、新しい働き方や、新しい仕組みを生み出すきっかけになっているだろうと思います。

障害者だけではなく、障害者の就労支援や教育を通じて、一般人の世界も広げるような企業なのではないでしょうか。

 

社会貢献とビジネスの両立

先日のガイアの夜明けで、車椅子社長の特集がありました。社長自身が障害者であり、会社や施設にバリアフリーのアドバイスをしたり、コンサルティングを行ったりしている会社です。その中で、社長がこんなことを言っていました。

 

世の中の人は、障害者に関連するビジネスで儲けてはいけないのではないか、みたいな思いが少しあるのかもしれない。ただ、自分自身が障害者であるからこそ、自分自身がもっとビジネスを推進していきたい。

 

リタリコが行っている事業も同じようなことが言えるのかなと感じました。

なぜ、この分野に取り組んでいる企業が少ないのか?大手の人材会社が力を入れていないのか?やはりビジネスとして成立しずらいという特性があるのかなと思っています。

リタリコが今後、更なる拡大やサービス品質を向上させていくためには、稼ぐ力が必要になってきます。社会貢献をするためには、しっかりと売上を計上して利益を出していくことが必要です。

ベースが整っているからこそ、敢えて私は今後の「稼ぐ力」に期待してみたいと思います。