皆さんは太陽光発電というとどんなイメージを持たれるでしょうか?
最近では住宅に取り付けられることも増えてきていますが、実は企業側も再生可能エネルギーに目を付け、「太陽光発電ファンド」という形で投資事業が行われています。
日本にはいくつもの太陽光発電ファンドが存在していますが、それぞれの企業でどのような違いが見られるのでしょう?
今回は太陽光発電ファンドの中から株式会社ゼック、RSアセットマネジメント株式会社、エグチホールディングスグループの3社を調査し、それぞれの事業内容から企業規模、経営理念、今後の成長性などについて比較してみようと思います。
太陽光発電ファンド選びに悩んでいる、それぞれの企業でどんな違いがあるのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
①事業内容比較
まずは各社の事業内容から比較していきましょう。
■ゼックの事業内容
ゼックの公式ホームページで紹介されている事業内容は下記の3つとなっています。
・再生可能エネルギー普及
・太陽光発電設備の設計や事業計画の策定・運用
・再生可能エネルギーファンド組成
ゼックでは基本的に太陽光発電設備を市民出資により建設し合同会社から出資者に対し売電収入を分配するという仕組みになっています。
また、ゼックではエコへの取り組みとして発電所用地の緑化に努めており、さらに社会貢献活動として下野市と非常用電源に関する災害協力協定を締結しており、災害時に電力を蓄電池に貯めて避難所に持っていくことができるようにしています。
■RSアセットマネジメントの事業内容
RSアセットマネジメントでは、再生可能エネルギー事業に関するアレンジメント業務と、特別目的会社に対して匿名組合出資を実施し、売電収入によって安定した利益を得るインベストメント業務の2つをメイン事業として展開しています。
アレンジメント業務ではアセットマネージャーが中心になり、太陽光発電投資のファンドストラクチャーを構築します。
設備メンテナンスや資金の運用状況などの透明性を高め、出資者が安心して太陽光発電投資を行えるよう、運営管理も実施しています。
インベストメント業務では、太陽光発電投資以外にもバイオマス発電や風力発電、地熱・水力発電といったその他の再生可能エネルギーにも着目し、企画から運用までをサポートしています。
また、大手のパートナー企業とともに経済発展に悩むアジア各国で再生可能エネルギーを取り入れた環境事業を展開しています。
■エグチホールディングスグループの事業内容
エグチホールディングスグループでは、太陽光発電デベロップメント事業を中心に、再生可能エネルギー事業や不動産事業、海外事業、国内新規事業開発、飲食事業、インターネット事業と幅広い事業内容を手掛けています。
中でも太陽光発電デベロップメント事業では、5つの事業を展開しています。
・発電所のEPC事業
・発電所買取
・発電所販売
・発電所メンテナンス
・発電システム資材販売
エグチホールディングスグループでは、太陽光発電所の建設はもちろん、不要となった発電所の買取・販売、発電所設置後のメンテナンス、効率的な運用を目指すための発電システムに関する資材販売などを行っています。
太陽光発電が行える土地であれば直接買取にも対応しています。
②企業規模、経営理念比較
続いては企業規模と経営理念を比較してみましょう。
企業規模や経営理念を比較しておくと、ファンドとしての信用性が高まります。
■ゼックの企業規模や経営理念
ゼックは2007年に設立し、現在資本金が2,000万円、八丁堀にあるサンケイビルというところにオフィスを構えています。
働いている人数などは分かりませんが、比較的規模の大きい企業だと言えます。
ゼックの経営理念は「0(ゼロ)エネルギー社会の実現」としており、あくまで再生可能エネルギーによって電力を生み出すことで、ゼロ・エネルギーを実現したエコ社会を作り上げることが目的となっているようです。
■RSアセットマネジメントの企業規模や経営理念
RSアセットマネジメントは、2013年に設立した会社で資本金5,000万円となっています。
所在地は港区赤坂にあるビルの1フロアであり、一等地に本社があるということで規模の大きい会社であると言えます。
こちらも働いている人数までは分かりませんでした。
RSアセットマネジメントの理念は、「安全かつ安定した電力供給への貢献」です。
こちらはエコ社会への貢献を考えながらも、今では生活に欠かせない電力を再生可能エネルギーを活用して安全・安定した供給により貢献を実現させようとしています。
RSアセットマネジメントでは基本的にこの理念に沿ったスキーム構築を目指しているようです。
■エグチホールディングスグループの企業規模や経営理念
エグチホールディングスグループは、名古屋守谷区にある企業で、創業は1968年、設立されたのは1992年となっています。
資本金は3,700万円でグループ全体の売上高は30億円に及ぶそうです。
従業員数は49名と比較的少なめですが、恐らくエグチホールディングス株式会社の従業員数であり、グループ企業の従業員数は含まれていないと考えられます。
経営理念は3つ掲げられています。
・エクセレントサービスの提供
・常に改善、常に挑戦
・バディシップによる組織づくり
エグチホールディングスグループはあくまでも幅広い事業展開を行うグループ企業なので、再生可能エネルギーに特化した経営理念ではありません。
しかし、例えば最大限のサービスを提供することや常に事業の改善点を見直し挑戦し続けること、注力した人材育成による組織づくりなどは太陽光発電デベロップメント事業にも目的として掲げられるような経営理念であると言えます。
③今後の成長性について各社を分析
それぞれの企業を比較してきましたが、今後の成長性は見られるのでしょうか?
実績なども含めて比較してみましょう。
■ゼックの今後の成長性
ゼックは現在茨城を中心に宮城や栃木など、計12ヶ所太陽光発電所を設置しています。
鹿島灘1号の運用実績を見てみると、1年度の分配率が9.88%で、その後若干下がっているものの、5年目となる2018年には前年度比0.4%の増加が見られます。
現在は12号太陽光分譲ファンドの資料予約を実施しており、今後も北関東を中心に太陽光発電所を増やしていくと予測できます。
また、ゼックは小水力発電所の開発から運営サポートも実施しています。
■RSアセットマネジメントの今後の成長性
RSアセットマネジメントは太陽光発電設備だけでも全国に数多くの設備があり、バイオマスや風力にも注力しています。
これは他の太陽光発電ファンドに比べてかなり大きな実績だと言えるでしょう。
今後もさらにその数を増やし、全国規模の太陽光発電ファンドになっていく可能性は非常に高いです。
また、RSアセットマネジメントでは大手のパートナー企業とともに海外環境ビジネスへの取り組みも実施しています。
今後はアジアを中心に世界でも活躍する企業になっていくのではないでしょうか?
■エグチホールディングスグループの今後の成長性
エグチホールディングスグループは元々建設業を営んでいた会社です。
そのため、太陽光発電所のEPC事業には特に力を入れています。
また、中古設備の買取・販売も実施しているため、多くの実績を持っていると言えます。
エグチホールディングスグループはファンドとしての事業というより、設計や施工、買取・販売、メンテナンスを行う企業となっているので、ファンドとしての将来性は分かりませんが、自身で太陽光発電所を持ちたい、土地を余らせて困っているという方に向いている企業です。
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