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フジ住宅裁判を詳しく解説!訴訟の内容やヘイトハラスメント疑惑の全貌に迫る!

フジ住宅株式会社は、大阪府や兵庫県、和歌山県を中心に分譲戸建てやマンションなどの販売を行う不動産会社です。
土地の有効活用や賃貸管理、注文住宅に関する事業も行っています。
そんなフジ住宅ですが、昨今の報道で「この企業はヘイトスピーチに類する文書を配布しているのでは?」と思っている人が多いのではないでしょうか。
たしかに文書配布に対して同社に務める女性従業員が訴訟を起こし、これに関する裁判が行われ、二審敗訴の判決が確定しました。
しかし判決に対してフジ住宅側は、最高裁に上告して是非を再度問うことを決めています。

なぜそのようなことが起こっているのでしょうか。果たしてヘイトハラスメントはあったのでしょうか。
今回は、この一連の訴訟について詳しく解説していきます。

フジ住宅の概要

はじめに、フジ住宅の概要からみていきましょう。
フジ住宅株式会社は、1973年1月22日に創業し、1974年4月19日に設立された会社です。
代表取締役社長は、宮脇 宣綱氏が務めています。
東京証券取引所(市場第一部)に上場している会社です。
従業員数は、パート社員を含めると948名(連結1,245)が在籍しています。
事業所は、大阪府岸和田市の本社以外に大阪支社や大阪支社 桜川オフィス、本社営業部、東岸和田ビル、おうち館 本館、おうち館 和泉店、おうち館 堺店、夢の住宅館(和歌山市)、フジホームバンク大阪店、フジホームバンク西宮オフィス、フジホームバンク三宮オフィスが設置されています。

主な事業内容は、新築住宅・マンションの販売、中古住宅・マンションの販売、注文住宅・建て替え、賃貸・分譲管理、土地の有効活用、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築工事です。
不動産に関する幅広い業務を請け負っている会社だと言えます。

フジ住宅裁判の経過を調べてみました

フジ住宅は、訴訟を起こされています。
その裁判の経過についてみていきましょう。

原告が問題意識を持つようになったのはなぜか

原告は、大阪府に暮らす在日コリアンの女性です。
不動産関連の会社に2002年から非正規雇用の社員として仕事をスタートしました。
彼女が働く会社は2008年にフジ住宅に吸収合併され、その後、フジ住宅社内で会長による政治的な意見や論評の表明を主とする文書が配布されました。
文書が配られた当初は、業務とは関係ない書類を配布するのはなぜかと疑問に思ったと言いますが、そこまで深く考えることはなかったそうです。
そんな中、2013年に日本教育員組合についての書籍が会社内で回覧されたことで、原告の女性は問題意識を持つようになっていきました。
なぜ問題意識を持つようになったかというと、自身のルーツである人種・国籍を蔑むような内容が盛り込まれていると感じたからです。
その後、2015年にフジ住宅会長が教科書展示会に足を運んだ際には、自分自身が支持する出版社の教科書の採択に関するアンケートの提出も従業員に求めました。
提出は任意だったようですが、それも、原告の女性が会社に対する疑問や問題意識を持つ要因の1つとなっています。

2015年8月31日に提訴する

2015年8月31日に原告の女性は、フジ住宅に対して特定の国の人を蔑んだり、貶めたりする内容が盛り込まれた文書の配布を中止してほしいと申し出ます。
しかしフジ住宅は、そのような意図はないと主張し、書類の配布を中止することはありませんでした。
会社側からの提案や扱いに納得できなかったため、原告の女性は会社側に対して提訴を決意したのです。

2020年7月2日に下された大阪地裁の判決

2020年7月2日に大阪地裁は、フジ住宅と会長に対する判決を下しました。
その判決は、連帯で原告に対する110万円の賠償をすることです。
判決が下された後、「日本での言論の自由を守るためにも、また弊社の従業員の精神の自由を守るためにも、最後まで弊社は当裁判を勝ち抜く所存です」とフジ住宅はコメントを残しました。
コメントからも分かるように、フジ住宅は控訴する意向を示しています。

一審判決が終わってから控訴審の二審判決が下るまで

一審の判決を受けてもフジ住宅は、文書の配布を継続していました。
それを受けて原告の女性は、社内でそのような資料を配布できないようにするための差し止め請求を二審で追加しました。
そして、2021年11月に大阪高裁はフジ住宅と会長に対し、損害賠償132万円の支払いと資料の配布差し止め、資料の配布を禁止する仮処分を下したのです。

  1. 人種差別が疑われる資料を大量かつ継続的に配布を行った
  2. 原告の避難と受け取れる資料を社内で配布した
  3. 特定の教科書が採択されるようにアンケートの提出などを従業員に求めた

という3つに違法性があると認められました。
資料を配布したことに関してフジ住宅は差別が目的ではなかったと主張していますが、
社内での職場環境への配慮が足りなかったとして、違法性が認められる運びとなりました。

高裁判決に見るフジ住宅裁判のポイント

フジ住宅や会長の行為に対して、違法性があると認められました。
しかし、判決に問題点があったとも言われています。
なぜそのように言われるのか、高裁判決に見るフジ住宅裁判のポイントを解説していきます。

問題点とは?

裁判では、フジ住宅が配布した文書の中に差別を煽動するような内容が盛り込まれていて、何度も配布されていたと認められました。
そのため、配布の差し止め請求を命じました。
しかし、配られた資料の差別的なコメントはYouTubeの動画コメント欄にフジ住宅とは無関係の第三者が書き込んだものです。
それはフジ住宅側ではなくあくまでも他の誰かが書き込んだものなので意図的に取り上げたとは言い切れません。問題はそのコメントが見える状態でそのまま配布してしまったことなのです。
大手新聞の記事や有識者の評論も並べられていましたが、「これらの文章類は原告女性を念頭に置いて書かれたものではないので差別的言動とは認められない」と高裁は判断しました。
高裁は原告を非難する内容や人種差別を煽動する内容の文書の配布は差し止めるように判決を下しましたが、その他の文書は配布しても問題ないとみなしています。

高裁判決の要点について

判決の要点をまとめてみると、

  • 特定の人種や民族を貶めるような表現がある文書をそのまま配布してはいけないこと
  • 正当な評論を配布するのは問題ないが、強制的に読ませるのは不当であること
  • メディアの原告自身を差別的に取り扱っていたような報道は不適切であること
  • 一審判決に関する従業員の感想文に原告を批判していると受け取れる内容があったにも関わらず、そのまま掲載した文書を配ったこと
  • フジ住宅で配られた全ての文書に違法性があったわけではなく、差し止めを認めるのはあくまでも不当な表現やコメントが書かれた文書のみであること

といった点が見えてきます。
フジ住宅が不当な表現があることに対する注釈をつける、不適切な部分を塗りつぶしたうえで配布するといった方法を選択していれば、問題視されなかった可能性があります。

また、メディアによる過剰な偏向報道ともとれる不適切な報道も一部見受けられました。
文書の差し止めに関しても、どこからどこまでが差し止めになっているのか報道されておらず、ニュースを目にした人に誤解を与えるような内容になっているのも世間一般から誤解される要因の1つです。
メディアの不適切な報道は、フジ住宅が原告に対して直接的に差別をしたと思われかねない内容であり、フジ住宅のイメージを落としてしまう要因になると言えます。
そのため、大阪高裁ではメディアによる不適切な報道がなされていたと判断されました

まとめ

当記事では、フジ住宅の裁判やヘイトハラスメントに関する訴訟について解説しました。
裁判の結果をまとめてみると、以下のポイントが見えてきます。

裁判のポイント

・フジ住宅自体が積極的に差別的な行為を行おうとしたり、原告に対する差別が実際に行われたりしたわけではない
・フジ住宅が配布した正当な評論だと考えられる文書の配布に違法性はなく、継続しても問題はない
・配布の差し止めは不適切な表現やコメントが含まれているものだけである
・メディアの報道によってフジ住宅の印象が悪くなってしまった

このような点を踏まえて考えてみると、フジ住宅側に、原告の女性を特定的に差別する意図があったかの断定は出来ないと考察できます。
フジ住宅側は一審に続き、二審の大阪高裁でも敗訴してしまいましたが、最高裁に対し、上告をする方針で、最高裁での判決はどうなるかまだ分かりません。
今後の動向に要注目です。

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