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決算や株価から迫るブロードリーフの実態!会計基準変更の影響は?

本記事は、当メディアより当該企業に対して掲載の打診を行い、公開しております。
※本記事は当メディア独自の見解に基づいて作成しており、記事内容について企業側からの指示や要望は受けておりません。

会計基準の変更が、事業の業績にどのような影響をもたらしたのか、決算情報や株価の推移から深堀りします。

ブロードリーフは自動車産業の中でもカーアフター業界への総合的なITサービスの提供を行うパイオニアとして成長を続けており、投資家からも動向が常々注目されています。

本記事では、そんなブロードリーフの業績・株価の真相に迫ってみましたので、ぜひご一読ください!

ブロードリーフってどんな会社?会社概要と事業内容をチェック!

ブロードリーフは、独自開発のIT基盤「Broadleaf Cloud Platform(BCP)」を起点に、SaaS(Software as a Service)やマーケットプレイスなど、企業向けのクラウドサービスの開発、展開を行っている企業です。自動車アフターマーケット事業者向けのITサービス業界でトップシェアを誇っていることに加え、東証プライム市場にも上場しており、投資家からも一定の評価を得ている透明性、信頼性が高い企業です。

【会社概要】
社名:株式会社ブロードリーフ Broadleaf Co., Ltd.
本社:〒140-0002 東京都品川区東品川四丁目13-14 グラスキューブ品川 8階
代表者:大山 堅司
創業/設立:2005年(平成17年)12月 / 2009(平成21年)年9月
資本金(連結):7,148百万円(2023年12月末現在)
上場証券取引所:東京証券取引所 プライム市場(3673)
従業員数(連結):935人(2023年12月末現在)
事業内容:SaaS型モビリティ産業向けクラウドサービスの開発、提供
拠点:営業・サポートネットワーク:全国26拠点、開発:全国 3拠点

「感謝と喜び」を企業理念に掲げ、モビリティ産業を中心に幅広い業種・業界に特化した業務アプリケーションを開発し、お客様の事業創造に貢献するために事業を展開しています。

ブロードリーフの強み

業界トップシェア企業のブロードリーフ。今回はその強みについても調査してみました。

強み①既存顧客の多さ

ブロードリーフは約40年にわたりソフトウェアやサービスの提供を続けていて、グループ全体で約4万社もの顧客と取引があります。そのため、今後さらにクラウドサービスの利用者が増えていくことで、売上が拡大していくものと思われます。

また、既存顧客が多いということは既存顧客へサービスを提案できるため、顧客を獲得するためにかかるコストをカットできる点も今後、ブロードリーフが業績を伸ばしていく理由となるのではないでしょうか。

強み②サービス長期的な利用が見込まれる

ブロードリーフは幅広い業種や職種に特化したサービスを提供しており、企業の業務効率化に貢献しています。一度システムを導入すれば、他のサービスに乗り換えることはなかなか困難なため、長期的な利用が見込まれます。そのため、利益が年々確実に積み上がっていくと言えるでしょう。

ブロードリーフの直近の業績の実態に迫る!

ブロードリーフは東証プライム市場に上場しており、IR情報も積極的に発信されていますので、IR情報をもとに直近の業績について調査してみました。

2024年8月9日に発表された2024年12月期半期の業績を含め、直近3年間の業績の推移を以下に示します。2022年12月期半期には65億円に減少していた売上が、売上が約84億円、税引前収益が約1,600万円というように、回復しているのがわかります。

※単位:百万円

決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期利益 1株あたり利益
2021年12月期半期 9,937 1,243 1,239 795 9.1
2022年12月期半期 6,520 -1,398 -1,458 -1,109 -12.6
2023年12月期半期 7,390 -1,111 -1,102 -826 -9.3
2024年12月期半期 8,421 -44 16 -14 -0.2

2022年12月期半期の決算では、売上が大幅に減少しているように見えましたが、これは売上計上基準の変更によるものであり、決算書上で売上や利益が減少しているように見えているだけということが読み取れてきました。

具体的には、主力商品を下図の紫色で示されている複数年分一括計上方式のパッケージシステムから、緑色で示されている月額計上方式のクラウドサービスに変更した事による決算書上の売上減少であり、実態は変わらない決算書上における一時的な落ち込みのようです。

参照元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3673/ir_material_for_fiscal_ym/131043/00.pdf

直近の株価は?他社とも比較してみよう!

最新の株価と投資家たちの動き

では、実際の株価はどうなっているのでしょう?
過去の株価とも比較してみましょう。

その前に、ご存知の方も多いかもしれませんが、株価の上昇メカニズムについて、簡単に説明させてください。

株価の上昇は、まず「EPS」(1株あたりの利益)が増加することと、次に「PER」(株価収益率)という指標が関与しています。具体的には、「EPS」が向上すると、「PER」が低下する傾向があります。この結果、株の価値が割安と感じた投資家が増え、需要が高まることで株価が上昇するという流れが生じます。

ブロードリーフの株価は、2023年3月末時点で410円でしたが、2024年8月末時点では739円と、約8割上昇しています。

それに対して、個人投資家たちはどのような動きをしているのでしょうか?

検討してる間にスルスル上がってしまったか。
現在の値段でも(多分)かなりお買い得だと思うんだけど、株価が正常化するのに数年掛かるかと思うとその分のプレミアムも欲しいかなあ。
450円は間違いなくバーゲンだった。決断できなかったのが恥ずかしいぜT.T

いわゆる、多くの契約が長期一括払い契約から分割払い契約に計上変更された為に、売上・経常利益・純利益とも一巡するまでの数年間は毎年安定して増収するのでは!
今後が大いに楽しみです。

SBI証券が目標株価1250円とのたもうておるので、信じて待ちます。

引用元:https://finance.yahoo.co.jp/cm/message/1003673/3673

Yahoo!ファイナンスに投稿された口コミを確認すると、ブロードリーフが個人投資家から注目されていることがわかります。

機関投資家たちはどのように動いているのでしょうか?

光通信が7月26日に財務省へ提出した変更報告書によると、共同保有者との株式保有比率が24.76%から25.38%に上昇したとのこと。
光通信が保有する株式数が増加していることが、有価証券報告書の発表と同日に明らかになっています。

ブロードリーフのビジネスは個人投資家だけではなく、機関投資家からも注目されているようです。

ブロードリーフの今後の業績は、投資家たちから好意的に捉えられているといえそうです。

中長期保有のメリット大

これまでに説明してきた通り、月額計上への変更によって利益が積み重なっていくことが予想されるため、中長期保有のメリットが大きくなることが分かります。

ブロードリーフは現在『2つのDX』(①顧客のデジタルトランスフォーメーションを推進、②データエクスチェンジャーとして、提供サービス基盤を高付加価値化)に取り組んでいるため、クラウドサービスのユーザーのさらなる増加が見込まれると考えられます。これは、持続的に競争力が向上すると考えられ、中長期保有のメリットも高まると言えるのではないでしょうか。

まず、ブロードリーフの会計基準変更前の業績(2021年12月末時点)を見てみると、EPSは8.32円、PERは25〜30倍、1株あたりの純資産(PBR)は1.55倍でした。また、2026年には過去最高の32億円の純利益を見込んでいます。そのため、発行済株式の数(97,896,800株)が変わらない場合、EPSは4倍の32円に達することが予想されます。
引用元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3673/ir_material_for_fiscal_ym/156093/00.pdf

これらの分析を考慮すると、ブロードリーフの株価が今後さらに上昇する可能性が高まるのではないでしょうか。

将来得られる価値は?

今度は企業の将来のキャッシュフロー(お金の流れ)を予測し、それを現在の価値に換算するDCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)で考えてみましょう。
簡単に言うと、私たちが将来得られるお金の価値を今の段階で計算することで、その企業の「真の価値」を見極める手法です。

例えば、あなたが5年後に10万円を受け取る場合と、今すぐその10万円を手に入れる場合どちらがいいでしょうか?
お金は運用すれば時間経過とともに増大するので、今すぐ手に入る10万円のほうがいいですよね。
つまり、5年後に手に入る10万円は、今の段階ではもっと少ない金額に割り引いて価値を考えるべきだということです。
DCF法では、このように将来の収入を現在の価値に割り引いてすことで、企業の評価を行います。

では、企業の時価総額をDCF法を使って計算してみるとどうなるでしょうか?
企業が将来生み出すキャッシュフローを現在の価値に割り引いた金額と今の時価総額を比較してみましょう。
ブロードリーフの直近の数字をもとに考えてみます。
2024年上期のフリーキャッシュフローが51,000,000円でした。
一方で、2023年上期のフリーキャッシュフローが-791,000,000円であり、1年間で842,000,000円増加していることが分かります。

今後も同様のペースで増加すると仮定した場合、未来20年間のフリーキャッシュフローは以下のように推移すると想定されます。

2025年上期:893,000,000
2026年上期:1,735,000,000
2027年上期:2,577,000,000
2028年上期:3,419,000,000
2029年上期:4,261,000,000
2030年上期:5,103,000,000
2031年上期:5,945,000,000
2032年上期:6,787,000,000
2033年上期:7,629,000,000
2034年上期:8,471,000,000
2035年上期:9,313,000,000
2036年上期:10,155,000,000
2037年上期:10,997,000,000
2038年上期:11,839,000,000
2039年上期:12,681,000,000
2040年上期:13,523,000,000
2041年上期:14,365,000,000
2042年上期:15,207,000,000
2043年上期:16,049,000,000
2044年上期:16,891,000,000

これら20年間で得られるキャッシュフローを割引率5%で現在価値に割り引くと約830億円となります。
※割引価値の計算式は複雑なため省略

今後20年間で増加する将来の収入を現在の価値に換算した場合、実際の価値は現在の株価よりもはるかに高いのです。
現在の時価総額が約628億円ですので、将来生み出されるキャッシュフローから見れば、
現在の株価は割安であると想定されます。

実際に理論株価を計算し、理論株価と現在の株価を比較してみましょう。
理論株価は現在価値を発行済株式総数で割ることで算出できます。

現在価値:約830億円
発行済株式総数:97,896,800 ※2023年12月末時点
現在の株価:約641円※2024年10月時点
理論株価:約847円(現在価値÷発行済株式総数)

理論株価と現在の株価を比較すると、現在の株価のほうが安く、割安であるといえますね。

まとめ

プライム上場企業で投資家からも注目されているブロードリーフについて、決算情報や株価の推移から、業績を深掘りしてきました。

売上や利益だけではわからないブロードリーフの事業の実態に迫ることができたのではないかと思います。

情報をより深く調べることで、企業の実態を知ることもできるかもしれませんね。